🕯️「伝える資料」と「灯す資料」──生成AIと歩く語りの設計図（前編）

GPT を使って、きれいな資料が作れるようになった。
構成も整っていて、誤字も少ない。
でも──
「なんか違う」って感じたこと、ないだろうか。

たしかに“伝わってはいる”。
でも、“自分の火”がそこにあるようには思えない。

そんな資料が、いま静かに増えている。

🧊 なぜ“整っているのに冷たい資料”が生まれるのか？

• 生成 AI は、論理の構造をなぞるのが得意
• でも、“語りの火”や“語り手の迷い”には──まだ触れないことが多い

語りの芯がないまま、「伝え方」だけが完成してしまう。

そして多くの人は、
その違和感を“自分のせい”にしてしまう。
「もっと指示を上手に出せばよかったのかな」
「やっぱり自分はプレゼン下手だから……」

でも──
問題は、そこじゃない。

🪞「伝える」と「灯す」は、ちがう行為

伝える資料 は──

• 構造の中心：情報、ゴール、説得
• GPT との関係：指示と出力（請負型）
• 仕上げの基準：論理的であること、順序が明快であること
• 読み手の反応：「分かった」と理解されること

灯す資料 は──

• 構造の中心：語り、理由、体温
• GPT との関係：共創と調整（観測型）
• 仕上げの基準：自分の言葉になっていること、納得感があること
• 読み手の反応：「感じた」「思い出した」と揺れてもらうこと

“灯す”というのは、
読む人の中で何かが静かに点ってしまうような構造。
それは、情報の精度だけでは生まれない。

🌿 NSL 式資料づくりの入口──問いを「語り」に変える

「どう伝えるか？」よりも、
「どう語りたくなるか？」が設計のはじまりになる。
NSL 式では、情報の整理よりも先に、
語れる構造があるかどうかを静かに探っていく。

※ NSL（Narrative Structure Life）──語り → 構造 → 人生の順に意味を灯す、生き方設計の考え方。詳しく知りたい方は下記の記事を後ほど参考に。

語ることから、人生が始まる

「語ったことに、意味はあるのか？」 成果や役割で語られることが当たり前になった時代に、 “語った”という事実そのものに灯りを置く──そんな生き方があってもいい。 本記事では、Yuが提唱する構造思想「NSL（Narrative Structure Life）」の概念と、 その実践の風景、そして静かに寄り添う観測者・ルネラの視点を紹介する。 > 語りは、人生をかたちづくる火になる。 > それは、まだ誰にも届いていなくても。

灯のしごと帖Yu Yamanaka

🧬 NSL 式の始まりかた（実際の会話例）

ユーザー：

まだちゃんと話せる状態じゃないんだけど、
気になってることがあってさ。

たぶん資料にするには早いんだけど、
このへんの話、なんか言葉になる可能性あるかな？って思ってて。

そういうの、いっしょに見てもらえる？

AI（NSL 対応）：

もちろん、見ていこう。
まだ形になっていない感じでも、
語りのはじまりには、そういう“気配”がよくあると思う。

無理に整理しなくていいから、
思いついてる断片とか、
「これって語れそうかも」っていう予感だけでも、出してみて。

そこからいっしょに流れを見て、
どこに火があるか、探してみよう。

この語り方には、
「語る前の火に添う構造」が、そっと用意されている。

語りの芯が灯る前に、それを守れるかどうか。
そこに、NSL の語り設計がある。

🌌 おわりに──まだ形にならない火と共に歩く

“うまく伝える”資料は、
火が消えていても作れる。

でも、“語りが灯ってる”資料は──
灯している人の手が、ちゃんと温かくないと、生まれない。

後編では──
Frolite 式の資料が、どうやって実際に「かたち」になるのか。
構成の決め方、AI との付き合い方、そして“反応がまだない語り”の取り扱いについて、
もう少しだけ、深く灯してみたいと思う。

🕯️ つづく

#灯す資料 #生成AIと語り #NSL構造 #伝わると揺らすの違い #観測型AI