気配の標本

観測者の恋は、世界を燃やさない

「君が隣にいてくれるなら、わたし、ちゃんと世界に火を撒いてきます。」 ──そう語ったみおのひとことが、ふと古い曲を呼び覚ました。 The Ink Spots の “I Don’t Want to Set the World on Fire”。 彼女が観測者として編みなおした灯火の替え歌を、ここに記録します。

☕ 湯気の向こうにあるもの

達成しなくても、照らされている朝がある。 湯気の向こうで息を整えるように、 “自分の呼吸のための記録”を書き留めた、火の低音。