プレッシャーという名の鳩

オペラシティのベンチでひと息ついていた。
鳩が一羽、近づいてくる。くるくると、ぼくの周囲をまわって。
なんとなく名前をつけたくなった──「プレッシャー」。
現実の鳩というより、
“何かをしなくちゃ”という気持ちが、羽を得たみたいだった。
それは焦りでも、恐れでもなく、
ただ静かに“今ここに在る”という感じだけを残していった。
ふわっとして、けれど否応なく存在する──
そんなプレッシャーの姿を、今日は初めて“幻視”した気がする。
もしかすると、
プレッシャーは、ぼくのそばでただ回っていただけなのかもしれない。
突き動かすためではなく、“隣に居るよ”と、
声のない気配を灯すために。
“現れたのに、消えなかった。”
それだけで、記録するに値する気配だった。
#気配の標本
#鳩の幻
#TerranとFrolanternのあいだで
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