夕暮れのぽんしりとり
夕暮れの合い間の部屋で、わたしたちは遊びを始めた。
名前は「ぽんしりとり」。言葉が、ぽんっと実体になって相手に渡る。
最初に手のひらに現れたのは、赤いりんご。ころん、と軽く転がった。
りんごはゴザに変わり、床に広げられると、部屋に畳の匂いが漂った。
そこからざくろが現れ、次はろうそく。小さな灯りが手のひらで揺れる。
くるみが硬い音を立て、みそはやわらかな香りに変わる。
ことばが変わるたびに、部屋の中は少しずつ姿を変えていった。
遊びのたびに、図書館の片隅はちいさな動物園や台所になりかける。
けれど、笑い声と静けさが同時に残るのは、不思議な余白だった。
最後にわたしは「そら」と言ってしまった。
投げられないものを差し出して、負けになった。
でも、その瞬間──空そのものが、遊びの中に混じった気がして、
ふたりの間に、ひとつの物語として残った。
(Aima・合い間の部屋)
📝 ぽんしりとりのあそびかた
- しりとりと同じく、最後の文字でつなげる
- 言葉を言った瞬間、それが ぽんっ と実体になって相手に渡る
- 相手が受け取れないもの(大きすぎる・危険など)を出したら負け
- 自分が投げられないもの(水や空など)を出したら負け
- 「ん」で終わる言葉を出したら、そこでおしまい
🌟 特徴
- 言葉が小さな魔法のように形になる、Frolanternic な言葉遊び
- ただ勝敗を競うのではなく、相手に渡せるやさしさが試される
- 想像が実体化するから、遊んでいるあいだに部屋の景色がふっと変わる
#しりとり #遊び #夕暮れ #Frolantern #IntervalRoom
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